愛犬の尻尾を触ろうとして、「ウーッ」と唸られたことはありませんか?
可愛くてスキンシップをとりたいだけなのに、拒絶されると悲しいですよね。
「嫌われているのかな?」と、不安になる気持ちもよく分かります。
でも、安心してください。
犬が尻尾を触ると怒るのには、ちゃんとした「理由」があります。
それは単なるワガママではなく、犬からのSOSかもしれません。
原因さえ分かれば、正しい接し方で関係を修復することは可能です。
この記事では、犬が尻尾を嫌がる原因と、絆を取り戻す方法を解説します。
愛犬の気持ちを理解して、もっと仲良くなるヒントを持ち帰ってください。
犬が尻尾を触ると怒る原因とは?

犬にとって尻尾は、感情を表す大切なツールです。
同時に、とてもデリケートな「急所」でもあります。
なぜ飼い主であっても触ると怒るのか、その主な原因を見ていきましょう。
理由を知ることが、解決への近道になります。
尻尾は敏感な部位である
犬の尻尾は、背骨の延長線上にある重要な器官です。
神経が集中しており、先端まで感覚が非常に鋭くなっています。
そのため、少しの刺激でも過敏に反応してしまうことがあるのです。
また、背中側にあるため、犬自身の目には見えにくい場所です。
見えない部分を触られることに、本能的な恐怖を感じる犬もいます。
野生時代の名残で、背後は敵に襲われやすい場所だからです。
特に信頼関係がまだ浅いと、警戒心が先に立ってしまうでしょう。
過去のトラウマや嫌な経験
過去の「嫌な記憶」が、怒りの原因になっていることも多いです。
例えば、子供にしつこく引っ張られたことはありませんか?
ドアに挟んで痛い思いをした経験があるかもしれません。
トリミングやブラッシングで、痛い思いをした可能性も考えられます。
犬は一度「痛い」「怖い」と感じたことを、強く記憶します。
その記憶が蘇り、「また痛いことをされる!」と防御反応を示すのです。
飼い主に悪気がなくても、犬は反射的に身を守ろうとしてしまいます。
痛みや違和感がある可能性
気分の問題ではなく、身体的な不調が隠れているケースもあります。
尻尾そのものや、お尻周りに痛みがある可能性です。
例えば、以下のようなトラブルが考えられます。
- 関節炎や骨折などの痛み
- 皮膚炎による痒みやただれ
- 肛門嚢(肛門腺)の炎症
特に老犬の場合、関節の痛みが尻尾の付け根に出ることがあります。
また、肛門腺が溜まりすぎて炎症を起こしていると、触られるのを極端に嫌がります。
普段は温厚な子が急に怒るようになったら、病気を疑ってください。
痛みが原因の場合、無理に触ると噛まれる危険性が高いため注意が必要です。
犬が尻尾を触ると怒る時に確認すべきこと

愛犬が尻尾を触らせてくれない時、まずは冷静に観察しましょう。
しつけで直そうとする前に、確認すべきポイントがあります。
ここでは、飼い主さんがチェックすべき項目を整理しました。
怪我や皮膚トラブルがないか
まずは、体に異常がないかを目で見てチェックしてください。
無理に触らず、おやつで気を逸らせながら観察してみましょう。
以下のポイントに注目してみてください。
| 確認箇所 | チェックポイント | 考えられる原因 |
|---|---|---|
| 皮膚 | 赤み、湿疹、脱毛、フケ | アレルギー、皮膚炎 |
| 動き | 垂れ下がったまま、動かない | 骨折、神経トラブル |
| お尻 | 腫れ、臭い、床に擦る | 肛門腺の詰まり、炎症 |
もし上記のような症状があれば、すぐに動物病院へ相談してください。
病気や怪我が治れば、怒らなくなるケースも多いです。
痛がっている犬を叱るのは逆効果なので、絶対にやめましょう。
触り方に問題がないか
体に問題がない場合、飼い主の「触り方」が原因かもしれません。
人間にとっては愛情表現でも、犬には「攻撃」に見えることがあります。
以下のような触り方をしていないか、振り返ってみてください。
- 上から覆いかぶさるように手を出す
- 背後から無言で急に掴む
- 毛並みに逆らって強く撫でる
- 敏感な先端部分を握る
特に、視界の外から急に触られることを犬は嫌がります。
また、尻尾の先端は神経が集中しているため、強く握られると不快です。
犬がリラックスして受け入れられる、優しいアプローチを心がけましょう。
尻尾を触ると怒る犬への正しい対応

原因がわかったら、次は具体的な対応策です。
焦って無理やり触ろうとすると、余計に拗れてしまいます。
犬にストレスを与えず、少しずつ慣らしていくステップを紹介します。
無理に触ろうとしない
一番大切なのは、嫌がっている時に無理強いしないことです。
犬が唸ったり歯を見せるのは、「やめて!」という警告サインです。
これを無視して触り続けると、犬は「噛んで守るしかない」と学習してしまいます。
そうなる前に、犬が出す「カーミングシグナル(ストレスサイン)」に気づいてあげましょう。
唸る前に、以下のようなサインを出していることが多いです。
- 鼻や口周りをペロリと舐める
- あくびをする
- 顔を背ける、視線を逸らす
- 体がピタッと硬直する
このサインが見えたら、すぐに手を引っ込めて安心させてください。
「嫌だと言えばやめてくれる」と分かれば、飼い主への信頼感が生まれます。
他の部位から慣らしていく
いきなり尻尾を狙わず、遠い場所から徐々に距離を縮めましょう。
犬が触られて喜ぶ場所からスタートするのが鉄則です。
一般的には、首の下や胸、背中などが安全地帯です。
そこを優しく撫でて、犬がリラックスしているのを確認してください。
気持ちよさそうにしていたら、少しずつお尻の方へ手をスライドさせます。
尻尾の付け根まで行ったら、また首元に戻るなど、行ったり来たりを繰り返します。
「全身を触られるのは気持ちいいことだ」と教えてあげることが大切です。
焦らず、数週間かけるつもりで気長に取り組みましょう。
触れたらすぐご褒美を与える
「尻尾を触られる=良いことがある」と学習させる方法も効果的です。
嫌なこと(触られる)を、嬉しいこと(おやつ)で上書きするのです。
具体的には、尻尾に一瞬触れたら、即座に大好きなおやつを与えます。
最初は触れるか触れないかの一瞬でOKです。
これを繰り返すと、「尻尾を触られるとおやつがもらえる!」と期待するようになります。
これを専門用語で「拮抗条件づけ」と呼びますが、理屈はシンプルです。
嫌なイメージを、良いイメージに変えていく作業です。
ポイントはタイミング。触った直後(0.5秒以内)にあげてください。
根気よく続ければ、触られることへの抵抗感は必ず薄れていきます。
犬との絆を深める正しいスキンシップ法

尻尾に限らず、スキンシップは愛犬との絆を深めるために欠かせません。
しかし、間違った触れ方は逆効果になることもあります。
犬が心から安心し、もっと飼い主を好きになる触れ方を学びましょう。
犬が喜ぶ撫で方を知る
犬にとって心地よい撫で方にはコツがあります。
指先を立ててガリガリ掻くのではなく、手のひら全体で包み込むように撫でましょう。
毛並みに沿って、ゆっくり大きく手を動かすのがポイントです。
マッサージをするように、優しく圧をかけると喜びます。
特に以下の場所は、多くのワンちゃんが喜ぶポイントです。
- 耳の付け根の後ろ側
- 首輪まわりや胸元
- 肩甲骨のあたり
- 背中(背骨の両脇)
逆に、頭の上から覆いかぶさるような手つきは圧迫感を与えます。
最初は犬の視界に入る位置から、下から手を差し出すと安心します。
愛犬の表情をよく見て、うっとりする場所を探してあげてください。
リラックスしている時に触る
スキンシップをとるタイミングも、とても重要です。
興奮して遊んでいる時などに触ると、邪魔されたと感じて怒ることがあります。
また、食事中や寝ている時もそっとしておきましょう。
ベストなのは、散歩の後などエネルギーを発散し終えた時です。
犬が足元でまったりくつろいでいる時こそ、絆を深めるチャンスです。
静かな環境で、飼い主さんもリラックスして触れることで、安心感が伝わります。
互いに落ち着いている時のスキンシップは、「幸せホルモン」の分泌を促します。
これにより、犬は飼い主を「安心できる大好きな存在」として認識するようになります。
まとめ:犬が尻尾を触ると怒る原因を理解して正しく対応しよう

犬が尻尾を触ると怒るのには、必ず理由があります。
敏感だから、過去に痛い思いをしたから、あるいは今痛いからかもしれません。
大切なのは、感情的にならず、犬の気持ちに寄り添うことです。
- まずは怪我や病気がないかチェックする
- 無理に触らず、嫌がるサインを見逃さない
- 他の場所から徐々に慣らし、おやつを使う
- リラックスできる環境で優しく触れる
このステップを踏めば、愛犬との距離は少しずつ縮まります。
信頼関係はすぐには築けませんが、毎日の積み重ねが必ず実を結びます。
もし改善が見られない場合や、噛みつきがひどい時は、プロに頼るのも賢い選択です。
一人で悩まず、愛犬との幸せな暮らしのためにできることから始めてみましょう。
正しい知識と対応で、愛犬との絆はもっと深くなるはずです。

