「誰か来た!」とばかりに窓の外へ向かって吠え続ける愛犬。
「うるさい!」と叱っても止まらず、ほとほと困っていませんか?
ご近所への迷惑を考えると、悠長に無視なんてできないのが本音でしょう。
ネットでは「無視すれば直る」と言われますが、実は状況次第で逆効果になることをご存知でしょうか。
ただ無視をするだけでは、愛犬の不安や警戒心は取り除けません。
場合によっては、飼い主への不信感につながってしまうことさえあります。
この記事では、無視すべき場面とケアすべき場面の見極め方を解説します。
愛犬の心理を正しく理解して、お互いにストレスのない穏やかな暮らしを取り戻しましょう。
警戒吠えを無視するべき?結論から解説

「警戒吠えは無視していいの?」という疑問への答えは、ケースバイケースです。
すべての吠えを無視すれば解決するわけではありません。
大切なのは、「なぜ吠えているのか」という理由を見極めることです。
まずは、無視が効くパターンと効かないパターンを整理してみましょう。
無視が効果的なケース
無視が効果を発揮するのは、犬が「飼い主へのアピール」として吠えている場合です。
「吠えればこっちを見てくれる」「かまってもらえる」と誤解している状態ですね。
この場合、飼い主が反応すると「ご褒美」になってしまいます。
- 「退屈だから遊んで!」と吠えている
- 窓の外を見て、「ねえ見て!」と飼い主を呼んでいる
- おやつや散歩の催促が混じっている(要求吠え)
こうした状況なら、徹底的な無視(視線も合わせない)が正解です。
「吠えても何もいいことはない」と学習させる必要があります。
無視では解決しないケース
一方で、純粋な「警戒」や「恐怖」から吠えている場合、無視は解決策になりません。
犬自身が不安でたまらず、本能的に叫んでしまっている状態だからです。
このとき飼い主が無視を決め込むと、犬は孤立無援の状態になります。
- 雷や工事の音にパニックになっている
- 知らない人が怖くて必死に遠ざけようとしている
- 自分のテリトリーを守ろうと必死になっている
このようなケースでは、無視するよりも不安を取り除くサポートが不可欠です。
放置すればするほど、警戒心は強固になり、吠え癖が悪化するリスクがあります。
愛犬の心のSOSを見逃さないよう、冷静な観察が必要です。
警戒吠えを無視する前に理解すべき犬の心理

正しい対策をとるためには、犬の気持ちを知ることが第一歩です。
なぜ彼らは、あんなにも必死になって吠えるのでしょうか。
人間にとっては「騒音」でも、犬にとっては「正義の行動」かもしれません。
警戒吠えは本能的な行動
犬にとって、見知らぬ人や音を警戒するのはごく自然な本能です。
かつて野生で暮らしていた頃、外敵の接近を仲間に知らせるのは重要な仕事でした。
つまり、愛犬は「怪しいやつが来たぞ!みんな気をつけて!」と警告してくれているのです。
決して飼い主を困らせようとしているわけではありません。
この「仕事」を全うしようとする気持ちを、まずは理解してあげましょう。
その上で、「教えてくれてありがとう、もう大丈夫だよ」と安心させてあげるのが飼い主の役割です。
不安や恐怖を伝えている
激しい警戒吠えの裏には、強い「恐怖心」が隠れていることがよくあります。
特に社会化不足(色々な経験が足りない状態)の犬は、未知のものに敏感です。
「怖い!あっちに行け!」と叫んで、自分を守ろうとしているのです。
恐怖でいっぱいのときに無視されたり叱られたりしたら、どう思うでしょうか。
「飼い主さんは守ってくれない」と信頼関係にヒビが入る可能性もあります。
まずは愛犬が何に怯えているのか、その原因を探ることが大切です。
警戒吠えへの正しい対策方法

犬の心理がわかったところで、具体的なアクションに移りましょう。
ただ我慢するのではなく、環境を整え、とるべき行動を教えることが解決への近道です。
飼い主がリーダーシップをとって、愛犬を導いてあげてください。
原因を取り除く環境づくり
最も即効性があるのは、犬が警戒する対象を「見せない・聞かせない」ことです。
刺激そのものを減らせば、吠えるきっかけは自然と減ります。
| 気になる対象 | 具体的な対策例 |
|---|---|
| 窓の外の人通り | カーテンを閉める、目隠しシートを貼る |
| 外の物音 | テレビやラジオをつけて音を紛らわせる |
| 来客のチャイム | チャイム音を変える、クレートへ誘導する |
物理的に刺激を遮断するだけで、犬のストレスは大幅に軽減されます。
愛犬がリラックスできる「安全地帯」を部屋の奥に作るのもおすすめです。
別の行動に注意を向ける
「吠えそうだな」と感じたら、すかさず別の指示(コマンド)を出しましょう。
犬は「吠えること」と「おすわりすること」を同時にはできません。
「おすわり」や「ハウス」、「伏せ」などの指示を出してみてください。
指示に従うことで、犬の意識が「警戒対象」から「飼い主」へと切り替わります。
これを繰り返すと、「何かあっても飼い主の指示を待てばいいんだ」と学習していきます。
いざという時に指示が通るよう、普段からの信頼関係づくりが欠かせません。
落ち着いたら褒める
しつけの基本にして奥義は、やはり「褒めること」です。
吠えるのをやめて一瞬でも静かになったら、そのタイミングを逃さず褒めましょう。
優しく声をかけたり、ご褒美のおやつをあげたりします。
「静かにしていると良いことがある」と理解させるためです。
ただし、吠えている最中におやつで釣るのはNGです。
「吠えればおやつがもらえる」と誤解させるので、タイミングには注意してください。
警戒吠えを悪化させるNG対応

良かれと思ってやっているその行動、実は逆効果かもしれません。
警戒吠えをこじらせてしまう、よくあるNG対応を2つ紹介します。
ご自身の対応を振り返ってみてください。
大声で叱りつける
吠えている犬に向かって「うるさい!」「ダメ!」と怒鳴っていませんか?
興奮状態の犬には、その大声が「飼い主の加勢」に聞こえることがあります。
「よし、飼い主さんも一緒に敵を威嚇しているぞ!」と勘違いするのです。
これでは余計に興奮し、吠え声が大きくなる悪循環に陥ります。
叱る必要があるときは、低く短い声で冷静に伝えるのが鉄則です。
感情的に怒りをぶつけても、犬には恐怖しか伝わりません。
飼い主がパニックになる
散歩中や来客時、飼い主さんが「また吠えるかも…」と身構えてしまうこと、ありますよね。
しかし、リードを持つ手がこわばると、その緊張は犬に伝わります。
「リーダーが緊張している=何か危険があるんだ!」と、犬の警戒スイッチが入ってしまうのです。
まずは飼い主自身が深呼吸をして、堂々としていることが大切です。
「私がいるから大丈夫だよ」という安心感を、態度で示してあげましょう。
自信を持って対応するためにも、正しい知識を持っておくことは強みになります。
まとめ:警戒吠えは無視だけでなく原因に応じた対策が必要

警戒吠えへの対応は、「無視すればOK」というほど単純ではありません。
愛犬の性格や吠えている理由に合わせて、柔軟に対応することが解決の鍵です。
- 「かまってちゃん」な要求吠えなら無視が有効
- 恐怖や警戒からくる吠えには、安心させるケアが必要
- 環境を変えて刺激を減らし、別の行動へ誘導する
- 飼い主は動揺せず、どんと構えてリーダーシップを示す
根気はいりますが、正しいアプローチを続ければ、愛犬は必ず応えてくれます。
まずはカーテンを閉めてみるなど、小さな環境づくりから始めてみませんか?
もし「どうしてもうまくいかない」と悩んだら、プロの手法を頼るのも賢い選択ですよ。

