「お願い、あと少しだけ寝かせて…」
毎朝、愛犬の元気すぎるアピールで叩き起こされ、こんな風に思っていませんか?
早朝から吠えたり走り回ったりされると、一日の始まりからどっと疲れてしまいますよね。
でも実は、夜の習慣と朝の対応を少し変えるだけで、穏やかな朝は取り戻せます。
この記事では、犬が朝からハイテンションになる理由と、すぐに試せる5つの対処法を解説します。
犬の朝テンションが高い理由とは?

そもそも、なぜ愛犬は朝からあんなに元気なのでしょうか。
「嫌がらせ?」と思ってしまうこともありますが、もちろん違います。
そこには犬ならではの習性と、飼い主さんへの期待が隠れているのです。
本来の活動リズムと習性
犬はもともと「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」の動物です。
これは、明け方と夕暮れ時に活動スイッチが入る習性のこと。
野生時代の名残で、獲物が動くこの時間帯に目が覚めるよう体ができています。
つまり、朝早くに元気が爆発するのは、犬として健康な証拠でもあるのです。
特に若い犬や体力が有り余っている犬種は、この傾向が強く出ます。
「早く動きたい!」という本能的な衝動が、朝のハイテンションに繋がっています。
飼い主の起床を待ちわびた興奮
もう一つの大きな理由は、「大好きな飼い主さんと遊べる!」という期待感です。
犬は夜の間、家族が寝ているから我慢して静かにしています。
そのため、飼い主さんが少しでも動く気配を感じると、「やっと起きた!」と嬉しさが爆発。
「早く構って!」「ご飯ちょうだい!」と、全力でアピールを始めます。
ここで要求に応えてしまうと、犬は「騒げば良いことがある」と学習します。
結果として、毎朝のバタバタが習慣化してしまうのです。
犬の朝テンションが高すぎると起こる問題

「元気なのは良いこと」と笑って済ませられない場合もあります。
この状態を放置すると、飼い主さんの生活そのものが脅かされかねません。
具体的にどのようなリスクがあるのか、改めて確認しておきましょう。
近隣トラブルのリスク
早朝の静けさの中では、犬の足音や鳴き声は驚くほど響きます。
マンションや住宅密集地では、これらが騒音問題の火種になりやすいのです。
「朝からうるさい」と近隣から苦情が来れば、安心して暮らせなくなります。
ご近所トラブルは一度起きると修復が困難です。
愛犬との居場所を守るためにも、早めの対策が欠かせません。
飼い主の疲労とストレス
毎朝無理やり起こされる生活は、ボディブローのように効いてきます。
睡眠不足が続けば、仕事の効率は落ち、イライラも募るでしょう。
「可愛い愛犬のはずなのに、朝起きるのが憂鬱」
そんな風に感じてしまうのは、飼い主さんにとっても悲しいことです。
お互いが笑顔で過ごすためには、人間側の生活リズムを守ることも大切なのです。
犬の朝テンションを落ち着かせる5つの対処法

では、どうすれば愛犬に落ち着いた朝を迎えてもらえるのでしょうか。
ポイントは「エネルギーの発散」と「ルールの見直し」です。
今日から実践できる5つの方法を紹介します。
①夜の運動量を増やす
朝のエネルギーを抑えるには、前日の夜にしっかり疲れさせておくのが一番です。
夜の散歩時間を少し延ばすだけでも効果があります。
ただ歩くだけでなく、頭を使わせる質の高い運動を取り入れてみましょう。
- 散歩中にいろいろな匂いを嗅がせる
- おもちゃの引っ張りっこで発散させる
- 「お座り・待て」などのコマンド練習をする
心身ともに満足してぐっすり眠れば、早朝の目覚めも遅くなるはずです。
②起床後すぐに構わない
目が覚めてすぐ犬に話しかけたり、撫でたりしていませんか?
それは「起きたらすぐ遊べる」という誤解を与えてしまいます。
朝起きたら、まずは洗顔や着替えなど、自分の用事を淡々と済ませましょう。
犬が興奮している間は無視を貫き、落ち着いて静かになってから初めて構います。
「静かに待てば良いことがある」と覚えてもらうことが重要です。
③朝ごはんの時間を調整する
「起きる=ご飯」と覚えていると、空腹で早起きして催促するようになります。
朝ごはんの時間を少し遅らせるか、時間をランダムにしてみましょう。
| 現状のパターン | おすすめの改善案 |
|---|---|
| 起きてすぐあげる | 起きてから30分~1時間後にあげる |
| 毎日6時きっかり | 6時~7時の間でバラバラにする |
体内時計による予測をずらすことで、早朝の要求吠えを減らす効果があります。
④知育おもちゃで頭を使わせる
朝の忙しい時間、どうしても構えない時は便利グッズに頼りましょう。
フードを詰められる「コング」や、パズル型のおもちゃがおすすめです。
犬は食事を取り出すために頭を使うので、単に走るよりも心地よい疲れを感じます。
何かに集中している間は吠えることもなく、飼い主さんも身支度に専念できます。
⑤毎朝のルーティンを一定にする
犬は「次はこうなる」という予測ができると安心する生き物です。
「朝は静かに過ごす時間」という新しいルールを作りましょう。
例えば、カーテンを開けて日光浴をするだけの静かな時間を設けるなどです。
一貫した態度を続けることで、犬も自然とそのリズムに合わせてくれます。
家族全員で協力し、人によって対応が変わらないようにするのが成功への近道です。
朝テンションが高い犬へのNG行動
良かれと思ってやっているその行動が、実は逆効果になっているかもしれません。
興奮している犬に対して、やってはいけない対応を確認しましょう。
- 大声で「静かに!」と叱る
犬は「飼い主さんも興奮して応援してくれている」と勘違いします。 - 一緒になって騒ぐ
遊びの時間だと認識され、ハイテンションがさらに強化されます。 - 要求に応じて散歩に行く
「吠えれば散歩に行ける」と学習し、要求がエスカレートします。
興奮している時こそ、飼い主さんは冷静でいることが鉄則です。
低いトーンで短く指示を出すか、徹底して無視を決め込みましょう。
正しいリアクションを返せば、愛犬も次第に落ち着きを取り戻します。
まとめ:犬の朝テンションが高い悩みは生活習慣で改善できる

愛犬の朝のハイテンションは、本能的な理由と生活リズムの学習によるものです。
最後に、穏やかな朝を取り戻すためのポイントを振り返りましょう。
- 夜は頭を使う運動で満足させる
- 起床直後は構わず、落ち着くのを待つ
- 食事時間をずらし、期待感をコントロールする
- 知育おもちゃを活用して集中させる
- NG行動を避け、一貫した態度で接する
これらを組み合わせることで、愛犬との朝はもっと快適になるはずです。
もし「色々試しても改善しない」「もっと根本的にしつけ直したい」と感じたら、プロの力を借りるのも賢い選択です。
正しい知識と方法があれば、愛犬との信頼関係はもっと深まります。
まずは今夜の過ごし方から、少しずつ変えてみてくださいね。


