犬に「マテ」を教えたいのに、何度やっても動いてしまうと悩んでいませんか?
おやつを見せた瞬間に飛びついてしまい、落ち着いて待つ姿がまったく想像できないという声は少なくありません。
実は、マテが定着しない原因の多くは犬の性格ではなく「教え方の手順」にあります。
この記事では、準備から基本ステップ・失敗の原因・応用練習まで段階的にマテの教え方を解説します。正しい順序で進めれば、初心者でも着実にマテを習得させることが可能です。
犬のマテコマンドを教える前に必要な2つの準備

いきなりマテの練習を始めても、犬は何を求められているのか理解できません。
成功率を大きく左右するのは「土台となるコマンド」と「練習環境」の2つです。
トレーニングに入る前に、この2つを確実に整えておきましょう。
おすわりを確実にできる状態にする
マテは「静止した姿勢をキープする」コマンドです。
スタート地点となるおすわりが不安定だと、犬はマテの意味を理解できません。
目安として、「おすわり」と声をかけて1秒以内に座れる状態を目指してください。
おすわりが曖昧なまま進めると、犬は「座ること」と「待つこと」の区別がつかず混乱します。
まずは土台を固めることが、マテ習得への最短ルートです。
おすわりの精度に不安がある場合は、先におすわりの練習から見直すのがおすすめです。犬のおすわりの教え方はこちらで詳しく解説しています。
静かで刺激の少ない環境を用意する
犬の集中力は人間の想像以上に短く、一般的に5〜10分が限界といわれています。
テレビの音、窓の外の通行人、家族の足音など、少しの刺激でも注意がそれます。
最初のうちは、テレビを消し、他の家族に協力を頼み、静かな部屋で1対1の時間を確保しましょう。
「今は飼い主に集中する時間」と犬に意識させることが重要です。
環境を整えるだけで成功率が大幅に変わるため、準備の手間を惜しまないでください。
犬のマテコマンドの教え方【4つの基本ステップ】

準備ができたら、実際にマテを教えていきます。
ポイントは「欲張らず、小さな成功を積み重ねること」です。
以下の4ステップを順番通りに進めてください。
ステップ①:おすわりの状態からスタートする
愛犬と向かい合い、まず「おすわり」をさせます。
飼い主はリラックスした表情を心がけ、落ち着いた雰囲気を作りましょう。
おやつは手に持ちますが、犬の目の前に見せず、腰のあたりに隠しておきます。
おやつが見えると興奮して座っていられなくなるため、見せるタイミングは「褒めるとき」だけにしてください。
落ち着いた状態でスタートすることが、成功の第一歩です。
ステップ②:「マテ」と声をかけ手のひらを見せる
おすわりが安定したら、はっきりとした声で「マテ」と言います。
同時に、手のひらを犬の顔の前にかざしてください。
警察官が「止まれ」と制止するポーズをイメージすると分かりやすいでしょう。
このとき「声(聴覚)」と「手のひら(視覚)」の2つの情報を同時に伝えることが重要です。
犬は人間の言葉よりもボディランゲージに反応しやすいため、ハンドサインを併用すると理解が早まります。
ステップ③:1秒でも待てたらすぐに褒める
ここが最も重要なポイントです。
最初はマテと言ってから1秒で十分です。
犬が動き出す前に「いいこ!」と声をかけ、すぐにおやつを与えてください。
「動かなければ良いことがある」と犬に瞬時に学習させるのが目的です。
長く待たせて失敗させるよりも、1秒の成功を確実に褒める方がはるかに効果的です。
目安として、1秒で成功率が8割を超えたら次のステップに進みましょう。
ステップ④:時間と距離を少しずつ延ばす
1秒が安定したら、3秒→5秒→10秒と徐々に時間を延ばします。
時間が安定してきたら、飼い主が半歩→一歩と距離を取っていきます。
難易度を上げる際は「時間」と「距離」を同時に伸ばさないことが鉄則です。
- 目の前で待てる時間を延ばす(時間のみ)
- 時間を短くリセットし、一歩離れる(距離のみ)
- 離れた状態で待てる時間を延ばす(時間+距離)
この順番を守ると、犬が混乱せずステップアップできます。
1回のトレーニングは5分以内に収め、成功で終わらせることを意識してください。
犬のマテが失敗する5つの原因と対処法

正しい手順で進めているのに上手くいかない場合、原因は「教え方の細部」に隠れています。
よくある失敗パターンを5つに整理しました。
当てはまるものがないかチェックしてみてください。
最初から長く待たせすぎている
最も多い失敗原因がこれです。
「おやつが目の前にあるのに食べられない」のは、犬にとって非常に大きなストレスです。
我慢の限界を超えて動いてしまうと、「動いたら終われる」という誤った学習が定着します。
最初は「マテ」と言った瞬間に褒めるくらいのスピード感で十分です。
成功体験を積み重ね、犬に自信を持たせることを優先してください。
解除の合図を決めていない
マテには必ず「終わりの合図」が必要です。
解除の言葉がないと、犬は「いつ動いていいのか」を自分で判断してしまいます。
「ヨシ」「OK」など、リリースワードを1つ決め、家族全員で統一してください。
おやつを与えるタイミングは、必ずリリースワードを言った後にしましょう。
「ヨシと言われるまでは動かない」というルールが、待つ力を確実に育てます。
失敗したときに叱っている
待てずに動いてしまったとき、叱るのは逆効果です。
叱られた犬は「マテ=怖いこと」と学習し、トレーニング自体を嫌がるようになります。
失敗したときは、無言でおすわりの位置に戻し、最初からやり直すだけで十分です。
「あれ?おやつがもらえないな?」と犬自身に考えさせることが大切です。
ゲーム感覚の楽しい雰囲気を常に維持してください。
練習する環境が毎回違う
犬は環境の変化に敏感です。
「昨日はリビング、今日は庭、明日は公園」と場所を変えると、犬は状況を整理できません。
まずは同じ部屋・同じ時間帯で練習し、成功が安定してから場所を変えましょう。
場所を変えるときは、時間や距離の条件を最初のレベルに戻すのがコツです。
家族でコマンドや対応がバラバラ
「パパはマテ、ママはストップ」のように指示がバラバラだと、犬は何を求められているか分かりません。
使う言葉・ハンドサイン・解除の合図・褒め方は、家族全員で事前に統一しましょう。
表にして冷蔵庫に貼っておくと、全員が同じ対応をしやすくなります。
| 統一する項目 | 決めておく内容の例 |
|---|---|
| コマンドの言葉 | 「マテ」に統一する |
| ハンドサイン | 手のひらを犬の前にかざす |
| 解除の合図 | 「ヨシ」に統一する |
| 失敗時の対応 | 叱らず無言でやり直す |
犬のマテの教え方【応用編】日常・屋外での実践練習

室内でマテが安定したら、実生活の場面に応用していきましょう。
マテは単なるトリックではなく、愛犬の安全を守る必須スキルです。
日常のさまざまなシーンで使うことで、犬の自制心がさらに鍛えられます。
食事の前にマテをさせる
食事前のマテは、毎日無理なく練習できる最適な場面です。
フードボウルを置く前に「マテ」をかけ、3〜5秒待てたら「ヨシ」で解除します。
興奮状態をリセットし、落ち着いて食べる習慣がつきます。
最初はボウルを持ったまま練習し、安定したら床に置いてからマテをさせるとステップアップできます。
散歩中の信号待ち・交差点で使う
散歩中のマテは、交通事故や飛び出し防止に直結します。
信号待ちのタイミングで「おすわり→マテ」をかけ、青に変わったら「ヨシ」で歩き出します。
ただし屋外は室内よりも刺激が多いため、最初は成功ハードルを下げてください。
目安として、室内で30秒以上のマテが安定してから屋外練習に移行するのがおすすめです。
玄関ドアの開閉・来客時に使う
玄関でのマテは、脱走防止と来客トラブルの予防に効果的です。
ドアを開ける前に「マテ」をかけ、飼い主が先に出入りしてから「ヨシ」で解除します。
来客時も「マテ」で一度落ち着かせてから挨拶させると、飛びつきや興奮吠えを防げます。
玄関練習は脱走リスクがあるため、最初はリードをつけた状態で行いましょう。
| 応用場面 | マテの効果 | 始める目安 |
|---|---|---|
| 食事の前 | 興奮リセット・落ち着いて食べる習慣 | 室内で5秒マテが安定したら |
| 散歩中の信号待ち | 飛び出し・交通事故の防止 | 室内で30秒マテが安定したら |
| 玄関の開閉 | 脱走防止・安全確保 | 室内で10秒マテが安定したら |
| 来客・チャイム | 飛びつき・興奮吠えの抑制 | 室内で15秒マテが安定したら |
日々の小さな積み重ねが、愛犬の安全と生活の快適さを大きく変えていきます。
犬のマテコマンドに関するよくある質問
マテのトレーニング中に飼い主が疑問に感じやすいポイントをまとめました。
行き詰まったときの参考にしてください。
マテを教え始める時期は何歳からが良い?
おすわりが安定していれば、生後4〜5か月頃から始められます。
子犬は集中力が短いため、1回の練習は2〜3分に抑え、1日2〜3回に分けるのが効果的です。
成犬でも手順は同じです。年齢に関係なく、段階的に進めれば習得できます。
子犬のしつけのタイミングについては、子犬のお手はいつから始めるべきかも参考になります。
おやつなしでもマテができるようになる?
最終的にはおやつなしでもマテができるようになります。
ただし、最初から「おやつなし」を目指すのは難しいため、段階を踏みましょう。
- 毎回おやつで褒める(学習初期)
- 2回に1回おやつ・1回は言葉だけで褒める(定着期)
- おやつは3回に1回・基本は言葉と撫でるだけ(維持期)
完全におやつをなくすまで2〜3か月かかるのが一般的です。
焦らず「報酬の頻度を少しずつ減らす」イメージで進めてください。
何度教えてもマテを覚えない場合はどうする?
まず、以下の3点を確認してください。
- おすわりは安定しているか(成功率80%以上が目安)
- 練習時間が長すぎないか(5分以内が理想)
- 家族全員がルールを統一しているか
上記に問題がないのに改善しない場合は、教え方そのものを見直す必要があるかもしれません。
独学での限界を感じたら、プロのしつけ教材やトレーナーに相談するのも有効な選択肢です。
まとめ:犬のマテの教え方は「1秒の成功」から始めて段階的に伸ばそう

マテは一朝一夕で完璧になるコマンドではありません。
ただし、正しい手順で焦らず進めれば、どんな犬でも必ず習得できます。
最後に、この記事のポイントをおさらいしておきましょう。
- おすわりの安定と静かな環境を準備してからスタートする
- 「マテ」の声+手のひらのハンドサインをセットで教える
- 最初は1秒で褒め、絶対に無理をさせない
- 時間→距離の順に少しずつ難易度を上げる
- 解除の合図を決め、失敗しても叱らずやり直す
- 室内で安定したら食事・散歩・玄関の場面で応用する
毎日5分でも良いので、楽しみながらコツコツ続けることが何よりの近道です。
もし独学で行き詰まったときは、体系的なしつけ教材を活用すると突破口が見つかることがあります。
焦らず愛犬のペースに合わせて、信頼関係を深めながら取り組んでいってください。

何度練習してもマテが定着しないのは、教え方の順序やタイミングにズレがあるのかもしれません。基本コマンドから応用まで体系的に学べるしつけ教材を使うと、自宅でも正しい手順を確認しながら進められます。愛犬との信頼関係を築く第一歩として、まずは内容をチェックしてみてください。

