愛犬に芸を教えてみたいけれど、何から始めればいいか迷っていませんか。
犬の習性を活かせば、特別な道具も長い時間も不要で、誰でも教えられる芸がたくさんあります。
この記事では、初心者でも取り組みやすい「犬の芸10選」と、覚えさせやすくなる教え方のポイントを具体的に解説します。
難易度の低いものから順に紹介しているので、愛犬の得意そうなものを選んでチャレンジしてみてください。
来客に見せて盛り上がる芸や、日常のしつけにも役立つ実用的な芸まで網羅しています。
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犬の芸で簡単に覚えやすいものの選び方

芸を教える前に、「覚えやすい芸」と「難しい芸」の違いを知っておくと、スムーズに進みます。
選ぶ基準は主に2つです。
犬の自然な動きを利用しているか
犬が日常的によくしている動作に近いほど、習得が早くなります。
たとえば「お手」は前足を使う動作で、犬にとって自然な行動です。
一方で「バーン(倒れる)」は意図的に横になる動作のため、段階を踏んだ練習が必要になります。
まずは犬の体の使い方に無理のない動作から始めるのが基本です。
コマンドと動作がシンプルに対応しているか
犬は「言葉の意味」ではなく「音のパターン」でコマンドを覚えます。
コマンドが短く、1つの動作だけに対応しているものが最も覚えやすいとされています。
例:「おすわり」→ お尻を下げる動作のみ。複数の動作が混在するものは混乱の原因になります。
家族全員でコマンドの言葉を統一することも、定着を早める重要なポイントです。
犬の芸で簡単に覚えやすいもの10選【難易度順】

以下の10個は、初心者の犬・飼い主でも取り組みやすいものを難易度の低い順に紹介しています。
1番から順に挑戦すると、無理なくステップアップできます。
①お手・おかわり(難易度★☆☆)
犬芸の定番で、最初に教えるのに最も適した動作です。
犬は前足を使うのが得意なため、習得スピードが速い傾向があります。
教え方の手順:
- おやつを手のひらで握り、犬の鼻先に近づける
- 犬が前足でチョンと触れた瞬間に「お手」と言い、すぐ褒める
- 片手が完璧になったら、反対の手で「おかわり」を同じ手順で練習する
目安:早い犬で2〜3日、ほとんどの犬は1〜2週間で習得します。
②おすわり(難易度★☆☆)
しつけの基礎であり、興奮を落ち着かせる場面でも役立つ実用的な芸です。
教え方の手順:
- おやつを鼻先に見せ、そのまま頭の後方へゆっくり動かす
- 視線が上を向き、自然とお尻が床についたら「おすわり」と言う
- お尻が床についた瞬間に褒め、おやつを与える
ケース:散歩中の信号待ち、来客時の興奮を落ち着かせる場面で特に活躍します。
③タッチ・ハイタッチ(難易度★☆☆)
飼い主の手のひらに鼻や前足をタッチさせる、見た目もかわいい芸です。
動作がシンプルで犬が理解しやすく、来客との挨拶代わりとして盛り上がります。
教え方の手順:
- 手のひらを犬の鼻先の高さに広げて出す
- 犬が興味を持って触れた瞬間に「タッチ」と言い、すぐ褒める
- 慣れてきたら手の位置を少し高くして「ハイタッチ」へ発展させる
例:手のひらを出すだけで反応するようになれば、挨拶代わりに活用できます。
④伏せ(難易度★★☆)
「おすわり」ができるようになったら次に挑戦したい芸です。
落ち着かせたい場面(ドッグカフェ・病院の待合室など)で特に役立ちます。
教え方の手順:
- おすわりの状態から、おやつを持った手を地面に向けてゆっくり下げる
- 犬がおやつを追って肘が床についたら「伏せ」と言う
- 完全に伏せた姿勢をキープしたら褒め、おやつを与える
目安:おすわりが完璧にできている犬なら、3〜5日で習得できるケースが多いです。
⑤ターン・回転(難易度★★☆)
その場でくるりと一回転する、ダンスのような芸です。
体全体を動かすため運動不足の解消にもなり、室内遊びとしても優秀です。
教え方の手順:
- おやつを犬の鼻先に近づけ、円を描くようにゆっくり誘導する
- 一回転できたら「ターン」と言い、すぐ褒める
- 慣れたら指を回すジェスチャーだけで回転できるよう練習する
ケース:左回り・右回りを別々に覚えさせると、より見ごたえのあるトリックになります。
⑥ちょうだい(難易度★★☆)
口にくわえたものを合図で離す、誤飲事故の防止にもなる実用的な芸です。
教え方の手順:
- おもちゃで遊んでいるときに、より魅力的なおやつを目の前に見せる
- 口からおもちゃを離した瞬間に「ちょうだい」と言い、すぐ褒める
- おやつと交換することで「渡すと良いことがある」と関連付ける
例:危険なものを口にしてしまったとき、このコマンドで素直に離してもらえます。
⑦くぐる(難易度★★☆)
飼い主の足の間をトンネルのようにくぐり抜ける芸で、一体感を楽しめます。
教え方の手順:
- 足を肩幅より少し広めに開いて立つ
- 足の後ろからおやつで犬を誘導し、足の間を通り抜けさせる
- 顔が足の前に出たら「くぐれ」と言い、褒める
目安:怖がりな犬の場合は最初に足を大きく開いて慣れさせ、徐々に幅を狭めると安心です。
⑧バーン・倒れる(難易度★★★)
指を鉄砲に見立てて「バーン」と言うと横にコロンと倒れる、インパクト抜群の一発芸です。
教え方の手順:
- 伏せの状態から、おやつで犬の鼻先を横方向に誘導する
- 体が横に傾きお腹が見えたら「バーン」と言い、すぐ褒める
- 倒れた姿勢を数秒キープできるよう少しずつ時間を延ばす
ケース:お腹を見せるポーズは飼い主への信頼の証でもあり、信頼関係が深まった犬ほど自然に覚えます。
⑨お辞儀(難易度★★★)
お尻を高く上げたまま頭だけを下げる、愛らしいポーズの芸です。
犬同士が「遊ぼうよ」と誘うときのポーズと同じで、犬にとって自然な動作を活用します。
教え方の手順:
- 立った状態の犬に対し、前足の間の低い位置へおやつを持っていく
- 前足が折れて頭が下がり、お尻が高く上がった瞬間に「お辞儀」と言う
- その姿勢を数秒キープしたら褒め、おやつを与える
例:来客へのご挨拶として披露すると、かわいらしさで場が和みます。
⑩持ってこい(難易度★★★)
投げたボールを取りに行き、飼い主の手元まで持ち帰る芸です。
狩猟本能を満たしながら運動量も確保できる、一石二鳥のトリックです。
教え方の手順:
- 犬の好きなおもちゃやボールを短い距離に投げる
- 取ったら犬を優しく呼び戻し、手元に来たら褒める
- おやつと交換することで「渡す→良いことがある」を定着させる
目安:室内で1〜2メートルの距離から始め、徐々に距離と場所を広げていきます。
犬に芸を覚えさせやすくなる教え方のコツ3つ

どんなに優れた芸でも、教え方が合っていなければ定着しません。
以下の3つのコツを意識するだけで、習得スピードが大きく変わります。
短時間の練習を毎日繰り返す
犬が高い集中力を保てる時間は、1回あたり5〜10分程度が限界です。
長時間の練習は逆効果で、犬に「練習=疲れるもの」と認識させてしまいます。
理想の練習スケジュール:1回5〜10分 × 1日2〜3セット。
「もっとやりたい」と感じさせる段階で切り上げることが、翌日の意欲につながります。
成功の0.5〜1秒以内に褒める
犬は「直前の行動」と「ご褒美」をセットで学習します。
褒めるタイミングが2〜3秒ずれるだけで、どの行動に対するご褒美かが伝わりません。
目安:成功した瞬間から0.5〜1秒以内に「よし!」「いいこ!」と高い声で褒める。
クリッカーを使うと、タイミングを正確に伝えやすくなります。
クリッカーを活用してみたい方へ:犬のクリッカートレーニング基本!望ましい行動を定着させる法
1回のセッションで教える芸は1つだけにする
複数の芸を同じ練習時間に詰め込むと、犬はどのコマンドに何の動作が対応するか混乱します。
例:「お手」と「タッチ」を同じ日に練習すると、どちらも曖昧な理解で止まるケースが多いです。
1回のセッションでは1つの芸に集中し、完全に定着してから次へ進む順序を守りましょう。
芸を教えるときに避けたいNG行動

よかれと思ってやっていることが、学習の妨げになっているケースがあります。
特に以下の行動は、犬のやる気を下げる原因になるため注意が必要です。
失敗したときに叱る
芸の練習中に怒られると、犬は「練習=怖い・嫌なもの」と認識します。
チャレンジしなくなることで、習得がさらに遅れる悪循環に陥ります。
うまくいかないときは叱らず、一段階前の簡単な動作に戻して成功体験を積ませましょう。
「教え方に問題があるかもしれない」と自分の方法を見直すきっかけにするのが正解です。
同じことをしつこく繰り返す
何度も同じコマンドを繰り返すと、犬はコマンドを「無視しても問題ない」と学習します。
コマンドは1回だけ出し、反応しなければ誘導に切り替える方法が有効です。
例:「お手」と言って3秒反応がなければ、おやつで手を誘導する。コマンドの繰り返しは禁止。
家族でコマンドの言葉がバラバラ
「お手」「手」「パン」など複数の言葉が混在すると、犬は同じ動作に複数の音が紐付いて混乱します。
家族全員で使うコマンドを事前に決め、メモなどで共有しておくと安心です。
犬の芸を来客に披露するポイントと準備

せっかく覚えた芸も、いざ来客の前で披露すると失敗することがあります。
本番で確実に決めるための準備と対応方法を解説します。
初めての場所・人の前では練習量を3倍にする
犬は「慣れた環境」でのみ確実にコマンドに従える傾向があります。
来客がいる状況では興奮・緊張が加わるため、普段の練習より難易度が上がります。
目安:来客予定の1〜2週間前から、少し騒がしい環境や別の部屋での練習を取り入れる。
さまざまな状況で練習する「般化(はんか)」と呼ばれる手法が効果的です。
披露するのは完璧に定着した芸だけにする
「まあまあできる」レベルの芸は、本番で失敗する確率が高くなります。
披露する芸は、10回試して10回成功する完成度になってから選びましょう。
例:来客には「お手・タッチ・ターン」の3つに絞り、確実に決まる芸だけ見せる。
欲張らず絞ることで、成功体験が犬のやる気を高める好循環が生まれます。
まとめ:犬の芸は簡単で覚えやすいものから始めて確実に積み上げよう
犬の芸で簡単に覚えやすいものとして、以下の10個を難易度順に紹介しました。
- お手・おかわり(最初に教えるのに最適)
- おすわり(しつけの基礎・実用性が高い)
- タッチ・ハイタッチ(来客との挨拶代わりに)
- 伏せ(落ち着かせたい場面で役立つ)
- ターン・回転(室内運動にもなる)
- ちょうだい(誤飲防止にも実用的)
- くぐる(飼い主との一体感を楽しめる)
- バーン・倒れる(一発芸として大ウケ)
- お辞儀(愛らしさ抜群の挨拶トリック)
- 持ってこい(運動と知的刺激を両立)
成功のカギは、以下の3点を守ることです。
- 練習は1回5〜10分の短時間を毎日継続する
- 成功の0.5〜1秒以内に必ず褒める
- 失敗しても叱らず、一段階戻って成功体験を積ませる
「なかなか覚えてくれない」「何度教えても定着しない」と感じたら、教え方そのものを見直すタイミングかもしれません。
プロのトレーナーが監修した動画教材を参考にすると、正しい手順と伝え方を視覚的に確認でき、習得スピードが上がるケースが多いです。
芸をなかなか覚えてくれないとき、多くの場合は犬ではなく教え方に改善の余地があります。プロのトレーナーが解説する動画教材で正しい手順を確認することで、定着スピードが変わることがあります。まずは教え方の見直しから始めてみましょう。

